腰痛症

腰痛症

もう腰痛に悩まされない人生に

40代女性
来院に至った経緯
交通事故をきっかけに、全身の痛みや突っ張り感、イライラ、不安感など様々な不調が出現するようになった。整形外科へ受診したところリハビリを提案されたが、通院には至らなかった。鍼灸院や、整骨院も通ったがなかなか身体の痛みが改善せず、また事故による強い精神的ショックが原因と考えられる不安感もなかなか良くならなかった。そうした中、当院の患者様のご紹介で来院される。
初診の状態
  • 01

    頚部筋群の過緊張

  • 02

    腰部筋群の過緊張特に左

  • 03

    左仙腸関節の可動域制限

経過と内容
椎間板レベルの問題を踏まえ、週2回のカイロプラクティックケアを提案し、施術を受けていただくことになりました。

【2週目(4回目のアジャストメント)】
左仙腸関節部の浮腫感が軽減し、腰の違和感も減少。動きやすさが出てきた一方で、全身の関節痛やイライラ感は依然として変わらず。

【4週目(8回目のアジャストメント)】
仙腸関節部の可動性がかなり改善し、常に感じていた腰痛や下肢の症状に「出る日・出ない日」という変化が見られるようになってきた。ヒアリングでは少しずつ前向きな発言が増えてくる良い傾向が見られた。

【5週目(11回目のアジャストメント)】
仙骨部の浮腫や体表温度検査の結果から、骨盤部が安定し始めていることが確認されました。日によって全身の関節痛やイライラ、不安感はまだ見られるが、内科で処方されていた漢方薬は「もう飲まなくても大丈夫」とのことで、精神的な状態にも改善の兆しが見られた。

副交感神経へのアプローチによりイライラや不安感が大きく軽減してきたため、現在は交感神経系へのアプローチへ移行し、引き続きメンテナンスを継続している。

考察
今回のケースは、交通事故後に出現した全身の関節痛と、それに伴う不安感・イライラ感といった精神的な不調を主訴としていた。
構造的な関節疾患の可能性は否定的であり、炎症所見や可動域制限が認められなかったことから、交感神経優位による全身の緊張状態が症状の根本にあると判断した。

施術を重ねる中で骨盤部の安定が確認され、腰部痛・四肢関節の痛み・精神的症状(不安感やイライラ)についても、徐々に軽減傾向を示した。

本ケースにおいて、精神的な不調の背景には、自律神経の乱れによるホルモンバランスの崩れが大きく関与していると推察される。

中でも特に注目すべきホルモンが「セロトニン」である。
一般に「幸せホルモン」とも呼ばれるセロトニンは、全体の90%以上が腸で分泌されており、わずか2%とされる脳内分泌分が、精神の安定に大きな影響を与えている。
加えて、「エストロゲン」「プロゲステロン」などの女性ホルモンも、イライラや気分の変動に密接に関係しており、特に排卵後から月経前にかけてのホルモン変動により、PMS(月経前症候群)としての症状が現れることがある。

本来であれば、脳と体をつなぐ神経のサイクルが正常に働いていれば、外的ストレスに対しても適切に反応し、ホルモン分泌を自己調整できる。しかし本症例では、事故による身体的・精神的ショックに加えて、神経系サブラクセーションの存在がその情報伝達を阻害し、脳—神経—ホルモンの連携に破綻を生じさせていた可能性が高い。

副交感神経へのアプローチにより、身体的・精神的な症状は一定の落ち着きを見せたが、根本的な改善には交感神経領域への介入が不可欠と考える。
今後は、神経バランス全体を視野に入れた包括的アプローチへと施術方針を移行していく。
北野 大輔

執筆者北野 大輔

松本市出身。中学生の時にバスケットボールやスケートボードに明け暮れていたがある日膝が曲がらなくなるくらいのケガをしてしまった。なかなか膝の痛みが取れなくて困っている自分に運命の出会い。母の勧めで整骨院にかかり施術を受け、信じられないことにたった3回の施術で膝が曲がるようになり、しゃがむことが出来るようになった。当時とても感動し、整骨院の仕事のすばらしさを知りました。私もケガをした人の役に立ちたいと思いこの業界を志す。

症例一覧へ戻る
pagetop